カビの原因ってシロアリと思う方もいますが、
シロアリは、蟻道(ぎどう)というトンネルを作り、そこを移動しながら木材にかじりつき、必要な栄養素を取り込みます。蟻道は、狭く高温多湿で、しかも光を遮り、シロアリの非常に好む場所になっています。
そういうシロアリの性質から、カビのある所に、シロアリも発生すると思いがちですが、結論から言えば、カビとシロアリの発生には、関連性はありません。
確かに、カビの増殖により、木材が腐る恐れはあります。シロアリ対策と同時に、カビ対策を行えば、効率的な対策工事になるでしょう。しかし、それは、対象家屋の個々の状況に依存します。一般的に、カビ対策を施さなくても、シロアリ対策としては、十分な処置になります。
また、カビがあるということは、それだけ湿気が高いことであり、カビを防げば、シロアリの「発生確率」を減らすことはできますが、「発生不可能」にすることはできません。
代表的なシロアリは、土中から木材に侵入し、そうして、被害を増大させていきます。カビの発生は、主に床下の空気不循環から起こり、光の嫌いなシロアリがわざわざ土中や蟻道から出て来ることは、ほとんどあり得ません。
空気の流れの悪い床下を改善するにはいくつかの方法が考えられます。
1.換気口を新たに設ける
換気口を大きくしたり、新しく開けたりして空気の流れを良くします。この対策では耐震性に影響しないように注意が必要です。
2.調湿材(ゼオライトや炭など)の敷設
床下に防湿シートを敷いてその上に調質材を敷きます。調湿材はそのごく小さな穴で湿気を吸ったり吐いたりします。また脱臭効果も期待できます。防湿シートを敷かないと地面の湿気を吸ってしまい、調湿材が飽和状態でいつまでも続くことになるので意味がありません。
3.床下換気扇を取り付ける。
床下に換気扇を取り付けて強制的に空気を流そうというものです。当然のことながら床下で空気の流れが悪い箇所の空気を動かすように装着しないと、これまた意味がありません。
注意が必要なのが上記のどの対策にしても外の空気を取り入れるので「床下の湿度が現在の大気中湿度より低くなることはない」ということです。じめじめした夏季に床下だけがからっと快適ということはありえません*1。要は長期間、湿った空気を滞留させないということが目的であって、大気中の湿度よりも床下の湿度を下げることが目的ではありません。
*1 高気密高断熱住宅といった外の空気を完全にシャットアウトした床下の場合、除湿機などを使用すると湿度は大気中の湿度よりも下がります
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